会議の議事録作成に追われておりませんか?
近年は音声解析技術が進歩したことで、ソフトウェアを使えば自動で議事録を作成してくれるソフトがたくさん出回っております。
わたしも1年間、有料の議事録自動作成ツールを現場に導入し利用してきました。
今回は自身の経験談を通じ、使用した議事録自動作成ツールについて、またそのメリットとデメリットを詳しく解説していこうと思います。
ちなみに『Microsft Teams』でもTeams会議を録画した際にトランスクリプトを作成することができます。しかし、かなり精度は低いです。
議事録自動作成ツールとは?
議事録自動作成ツールとは、
会議中の音声をテキスト化し、議事録を作成してくれるソフトウェアを指します。
従来の議事録自動作成ツールではそもそも音声認識の精度がかなり低かったため議事録自動作成は夢のまた夢だったのですが、現在は高性能なAIによってほぼ100%音声をテキスト化することが可能になっております。
また、有料ツールの中には設定を変更する業界用語などのマニアックな言葉を認識してくれるものもあり、今後とも新たな機能が増えていくと思います。
議事録作成アプリを選ぶ際のポイント
操作性が良いか
議事録自動作成ツールはたくさん世の中に出回っており、AIの音声認識精度にさほど差がありません。
一番重要なのは、ツールの操作性です。
いくら音声認識精度が高くても、それを使用するのに複雑な仕様だったら使わなくなってしまいます。
イメージとしてはデータをドロップすればすぐに変換してくれるようなツールがおすすめです。
テキスト化速度が速い
これも重要な基準となってきます。
どのツールも音声認識精度は変わらないのですが、変換速度にはばらつきがあります。
いくら精度が高くても変換速度が遅ければ自分で書いたほうが早いです。
なので、変換速度も議事録自動作成ツールの選択基準としていれておきましょう。
データ管理の安全性
議事録の中には企業機密のような重要案件が盛り込まれている時があります。
その音声データを外部に委託するので安全性は特に気をつけなければなりません。
特にサーバ管理で複数にデータアクセスができてしまうなどの不具合があると最悪です。
安全性はよく確認してから選ぶことが重要です。
議事録自動作成ツール『ProVoXT』の使用を1年間使用した結果
今回私は議事録自動作成ツールとしてProVoXTを導入しました。
ProVoXT
ProVoXTは
- インターネット環境さえあればどこでもアクセスできるクラウドサービス
- 専用編集ソフトウェア「AmiVoice Rewriter」とハイブリッドに対応
使ってみた感想
- テキスト精度が高い
- 変換速度が速い(大体音声データの半分くらいの時間)
- データをドロップするだけで音声解析が開始する
- 今までの半分以下の時短は難しいと感じた
- アカウント管理が面倒だった
あくまで個人の主観に基づいて書いています。参考までに。
議事録作成ツールのメリット
議事録作成で書き漏れがなくなる
議事録作成は「会議の内容を書類としてとっておく」ために作成します。
そのため、会議の発言記入漏れがあると議事録の意味がなくなってしまいます。
議事録作成ツールでは会議で出た発言をほぼ100%の精度でテキスト化してくれます。
そのため正確な議事録を作成するには大変有効なツールといえるでしょう。
議事録作成の時短化(賛否有り)
議事録を書き起こす作業に時間がかかっていた人にとっては、かなり時短につながると思います。
特にタイピングが苦手な人にとっては会議の発言を全て書き出してくれるので、細かい修正をするだけでよくなります。
ただ、ここには賛否があるのでデメリットで書いていこうと思います。
議事録作成ツールのデメリット
いらないところまでテキスト化してしまう
先ほど言った通り、議事録自動作成ツールのテキスト化精度は非常に高いです。
しかし、高いが故にいらないところまでテキスト化してしまうというのがあります。
例えば、発言者が「えーっと、」と言ってしまうと議事録自動作成ツールも認識してテキスト化してしまいます。
あと、会議での発言は口語的なので何を言いたいのかその時は分かっていても、テキストで見てみると分からないものが多いです。
例えば、「あれだよね」とか、体言止めの発言「高いね、XX会社の、まぁいいけど」という発言はその場では何のことか分かっても議事録としては修正が必要です。
また、周辺の雑音までテキスト化してしまうことがあるのでそこは再度見直して修正しなくてはなりません。
発言者が誰かまでは分からない
議事録自動作成ツールで議事録を作成後見直してみると、発言者によってテキストを改行してくれています。
そのため、議事録自動作成ツールで作成した文書でほぼ提出版の議事録ができてしまいます。
しかし、あくまで少人数での会議であればの話です。
私の場合、出席者が10〜20人の会議でしたので、テキストを発言者で分けてもらっていても誰が発言したのかをもう一度音声を聞いて修正しなければなりません。
最終的に時短につながっているのかは微妙
上記で書いたことを考えると、もう一度会議の音声を聞きながらツールが作成した議事録を修正しなくてはなりません。
なので、もう一度同じ会議時間だけ議事録作成に時間がかかります。
そう考えると正直時短に繋がっているかは個人差が出てくると思います。
議事録自動作成ツール導入したほうがいい人
今回導入して分かったことを踏まえて、議事録自動作成ツール導入したほうがいい人をまとめます。
少人数での会議が多い人
議事録自動作成ツールの仕様によって、少人数の会議の方が誰が発言したのか後で見返した時にわかりやすいです。大人数だと討論になった際、全く誰が発言したのか認識するのが難しくなります。
タイピング速度に自信がない人
議事録自動作成ツールを使うことで、発言の大部分はすべて書いてくれた状態になります。なのでタイピングに自信がない人でも修正作業すればよいので時短につながります。
数秒でも時短にしたい人
議事録自動作成ツールを使用することで、数分でも時短につなげたい人ならば結果が出せると思います。ただ費用効率を考えた上での使用をおすすめします。
議事録自動作成ツール導入しないほうがいい人
議事録自動作成ツール導入しないほうがいい人を書いていきます。
大人数での会議が多い人
これは議事録自動作成ツールが複数人の討論になった場合、だれが発言しているのか認識が難しくなるからです。私が出席する会議は10人以上だったので修正作業が非常に大変でした。
タイピング速度が速い人
タイピング速度が速ければ、導入する必要はないと思います。基本的に議事録自動作成ツールを使用した後にも一度は会議内容を聞かなくてはならないので、結局聞きながら打ったほうが断然速いです。
まとめ
今回議事録自動作成ツールについて書いていきました。
ちなみに私は1年間ツールを導入しましたが結局1年で継続中止にしました。
理由は、議事を聞きながらタイピングしたほうが早いのと、大人数の会議が多かったので時短につながらなかったためです。
しかしながら今後、どんどん議事録作成技術が上がってくるので、日々新しいツールが出てきたらアンテナを貼っておく必要がありますね。